松岡大臣に関する事件がうやむやにされないようにしてください
<松岡農相自殺>閣議で黙とう 会見では口つぐむ姿目立つ
5月29日11時57分配信 毎日新聞
松岡利勝農相の自殺から一夜明けた29日午前、安倍晋三首相は閣議で「(松岡氏が)道半ばで亡くなられたのは誠に痛恨の極みだ。今後とも結束して国政に取り組んでいくよう改めて協力をお願いする」と訴えた。閣議後の各閣僚の記者会見では、松岡氏の死で政治とカネを巡る疑惑が不透明なままとなったことに「コメントすることはない」(尾身幸次財務相)「私に聞いても分からない」(久間章生防衛相)など口をつぐむ姿が目立ち、夏の参院選に向け「自民党に厳しい風があるだろう」との見方も出た。
閣議は29日午前9時2分、国会内で始まり、安倍首相や閣僚は1分間、松岡氏の死を悼み黙とうを捧げた。閣議室で松岡氏が座っていた席には白い花が飾られ、大田弘子経済財政担当相と高市早苗少子化担当相は松岡氏の死を悼み黒いスーツ姿で出席した。
閣議に先立ち、松岡氏が所属した自民党伊吹派会長の伊吹文明文部科学相は一人立ち上がり、首相に「昨日は済みませんでした」と深々と頭を下げ、首相も一礼した。
閣議後の記者会見で、渡辺喜美行革担当相は松岡氏の自殺について「驚きの一語に尽きる。現職閣僚の立場であのような決断をされた心の内は計り知れない」と述べた。伊吹文科相は「政策以外のところで批判を受けたのは本人もつらかったと思う。政策的な評価はきちっとしてやってほしい」とかばった。
自殺を選んだことについては伊吹文科相が「その人しか心の中は分からない」と述べたほか、柳沢伯夫厚生労働相も「心中を推し量ることはできない」とコメントを避けたが、溝手顕正国家公安委員長は「そういう方法が全てではないと思う」と語った。
政権運営への打撃に関しては、渡辺行革担当相が「全く影響がないとは言えない」と深刻な表情を浮かべ、夏の参院選への影響についても、農相の臨時代理となった若林正俊環境相が「国民の受け止め方としてかなりの影響が出てくるだろう。自民党に厳しい風があるだろうと予測している」との見通しを示した。
松岡氏の遺体は同日正午に四谷たちばな会館を出棺した。その後、車で自民党本部や国会議事堂、農水省などを回った上で、飛行機で午後6時前、地元の熊本に帰る。30日に熊本県阿蘇市内で密葬が営まれる。